先輩医師インタビュー 分野 整形外科
2021年04月08日

子どもから高齢者、プロ選手まで、膝を専門に治療。

JA新潟厚生連 新潟医療センター 整形外科 医長山中佳代 先生福島県出身・平成20年 新潟大学医学部卒卒業

整形外科を目指した理由を教えてください。

ずっとスポーツが好きで、私自身サッカーや柔道、スキーなどを経験し、大学ではスポーツ科学を学んでいました。大学のサッカー部で選手を支えてくださるメディカルスタッフの姿を目の当たりにして、自分も直接スポーツの現場に関わる仕事がしたいという思いが強まり、医学部に進みました。現在は、一般の外傷治療を行いながら、膝とスポーツ医学を専門にして、小学生からプロスポーツ選手まで幅広く診ています。

アルビレックス新潟レディースのチームドクターを務めていらっしゃるのですね。

これまで5年間、チームドクターとしてホームゲームに帯同してきました。なかなかできる経験ではないので、光栄に思っています。プロ選手も一般の患者さんも治療に変わりはありませんが、プロの場合は特に早期復帰かつ再発防止がシビアに求められるので、当院のリハビリ担当やチームトレーナーと連携して、状態を診ていきます。また、治療とは別に、休養時間を有効に使ってもらえるように、柔軟性を高めたり、足指の筋肉を強化したりなどのアドバイスも行います。全身のバランスをよくすることは再発防止につながるので、大切なことなんです。

サッカー選手特有のケガや症状はありますか。

特別なものはありませんが、多いのは肉離れや膝前十字靱帯の損傷です。ゴールキーパーですと、ジャンパー膝、正しくは膝蓋腱炎を発症するケースがありますね。また、一発でケガを負う以外に、蓄積して発症するものがあり、女性アスリートに多いものでは疲労骨折があります。運動エネルギーが摂取エネルギーを上回ると無月経になりやすく、ホルモンバランスの乱れから骨の形成が悪くなって、骨折に繋がってしまうのです。チームでは定期的なメディカルチェックで骨密度を測定するほか、全体のバランスを診て予防に努めています。

現在お勤めのJA新潟厚生連 新潟医療センターはどんな病院ですか。

当院は、スタッフ的にも設備的にもリハビリが充実し、スポーツ選手に対応できるノウハウも構築されているので、スポーツ外傷のほかに膝関節症の患者さんが多く、正しくリハビリをすることで手術を回避できるケースも多いので、症状があるからといってすぐに手術を進めるのではなく、相互に連携しながら最適な治療を進めています。

リハビリを経てやはり手術が必要な方へは、最先端の技術を用いた正確な人工関節置換術を行っています。また、骨折の患者さんはご高齢の方も多く、100歳を超える方が手術・リハビリを経て元の生活に戻れたというケースもあります。

医師を目指す方へのメッセージをお願いします。

関東圏では競合することも、新潟県では医師不足という背景に加え、周囲も協力的なので挑戦できますし、自分で道を切り拓いていくこともできます。サポート体制でいえば、育児休業が取得しやすいのはもちろん、復帰後の働き方も柔軟です。時短勤務にして日中はバリバリ働くなど、自分のペースで、できる範囲で続けていけばいいと思います。

もう一つ、アルビレックス新潟レディースが、今秋からWEリーグに参画し、アウェーへの帯同が増えるので、実は、今、一緒に支えてくださる方を募集中です! スポーツ医学に興味のある方を待っています。

(所属等は執筆時現在です。)