子育て医師のインタビュー 分野 内科
2019年03月26日

腹膜透析という選択肢があることを広めていきたいです。

ナーシングメディカルクリニック川村和子 先生新潟県出身・平成10年 新潟大学医学部卒業・現 新潟大学医歯学総合病院 血液浄化療法部特任准教授

大学病院とクリニックで診療をされているのですか。

大学では、週1日、腎・膠原病内科で新患外来と腹膜透析外来を担当しています。クリニックの方は、住宅型老人ホームへの訪問診療です。新潟市内にある系列の4つのホームを週に1~2回訪問し、それぞれで10~20人程度の患者さんを診察します。それ以外にも、透析クリニックで週1回、透析の管理をしています。

というと、一見忙しそうですが、老人ホームでの診療は2時間程度ですし、移動距離も短めです。勤務スケジュールとしては、ほぼ平日の9時から夕方までで、子育てと両立できています。

先生はふたりのお子さんのお母さんなのですね。

ええ、10歳の双子がいます。産休・育休後はパートタイム勤務で大学の腎・膠原病内科に復帰し、しばらく大学で勤務していました。当直やオンコールは免除していただいていました。その後は、子どもの成長に合わせて、働き方を変えながらこのスタイルに落ち着いてきたという感じです。大学の上司や先輩方に相談し、アドバイスを受けたり、勤務先を紹介していただいたりすることで働き方の選択肢が増えて、自分のできることをできる範囲で続けられるようになりました。

放課後の習い事の送り迎えや試合の応援など、今はまだ子どもに手がかかる時期ですから、もうしばらくはこのペースで働いていきます。将来的にはまた違う働き方をするかもしれません。

腎臓内科を専門にされたのはなぜですか。

学生の時から患者さんを全身的に見ることのできる内科に興味があり、研修医としては腎膠原病臓内科・呼吸器内科や神経内科を経験しました。そのとき、腎臓内科で尊敬できる指導医の先生方に出会い、また先輩の女性医師がいきいきと働いていらっしゃるのを見て、この道に進もうと決めました。研修後は、地域の病院での勤務を経て、新潟大学に戻って大学院を終了し、腎臓内科で経験を積んできました。

今、腎炎の治療は進み、慢性腎炎の透析患者さんは減っています。しかし、高齢社会に伴い、糖尿病や高血圧が悪化したり、合併症を抱えたりした結果、腎機能が低下するケースが増え、透析を含む長期的な治療が必要になっています。

透析には血液透析と腹膜透析がありますが、身体への負担が少なく、自宅でもできる腹膜透析を選択肢のひとつとしてもっと多くの患者さんやご家族に知ってもらい、選べるようにサポート体制を作っていきたいと思っています。海外に比べて日本での普及率はまだまだ低いのが実情です。多少の手技は必要ですが、若い患者さんなら自分でできますし、高齢の患者さんでも家族などの手助けがあれば大丈夫です。私が訪問する老人ホームでも腹膜透析をしている方がいらっしゃいます。高齢者にはこちらが向いている患者さんが多いと思うので、普及を進めていきたいですね。

医師を目指す人へメッセージをお願いします。

現在はいろいろな働き方ができる時代です。医師もそうです。医師免許があり、働き続けたいという気持ちがあれば、様々な勤務先や勤務形態が選べます。たとえば高齢化の進む今は、診療に来てくれる医師を探している高齢者施設も少なくありません。

また、地域の医療機関同士、さらに介護施設も含めた地域医療のネットワークの連携強化が求められ、医師の役割も多様化しています。さらに、大学病院には臨床だけでなく、研究や教育という道もあります。だから、仕事をしながらも自分の取り組みたい分野を探し、その時その時で、自分のできることをしていけばいいのではないかと思います。

(所属等は執筆時現在です。)